ダライ・ラマに学ぶ、怒りへの考え方と6つの対処法。

本、メディア
なぜ人は破壊的な

怒りでイライラして動悸がする。考えたくないのに敵意の感情で相手にとらわれてしまう。

相手を排除したい。怒りを受け入れる事は可能か?

誰もが多かれ少なかれそんな破壊的感情、怒りを持つことがあると思います。僕だってあります。

angry

できればイラつかずに生きていきたい。

というわけで今回は「怒り」についてダライ・ラマ14世から学ぼうとおもいます。

・怒りのしずめ方、やわらげ方。
・怒りにくくする方法。
・怒りとはどうやって生まれてくるのか。

などを『なぜ人は破壊的な感情を持つのか』という本を元にヒントを得ました。

まずダライ・ラマは「普通の人々が、普通のやり方で否定的感情を全て排除することは不可能です」と言い切ります。

怒るのは僕たち普通の人間には当たり前の事。全て排除するのは無理ですが、軽減することはできる。

そして破壊的感情=怒りへのチャレンジに対してダライ・ラマはこう言います。

「少なくとも、その戦略は試してみる価値があります。やりがいのあることです」と。

そして、本でたびたび目にするキーワードは「瞑想」

瞑想

瞑想は僕もトライ中ですが、瞑想に意味が無かったら仏陀から2600年以上も人々がやるはずが無いですよね。仏教は内なる科学。瞑想にはきっと人生を豊かにするヒントがあるはず。

メンタリストのDaigoさんも瞑想でメンタル強化したという話を動画で見かけた事がありますしね。瞑想、見逃せません。

ただし今回は「怒り」! 瞑想の詳細はまた別でまとめます。



ダライ・ラマに学ぶ、怒りへの考え方と6つの対処法。

まずダライ・ラマ14世とは?

世界中にちらばるチベット民族に対して政教両面において指導的立場にある人物と目されている。(中略)世界的に著名な仏教指導者の一人であり、チベット仏教のゲルク派において最高位の仏教博士号(ゲシェ・ラランパ)を持つ僧侶である。

(引用・抜粋:ウィキペディア)

との事。

ダライ・ラマ=大海のような深い知恵を持つ聖人。

という意味で観音菩薩の化身とされる仏教の指導者と本には書かれています。

深い知恵と世界的な影響力を持った方です。

ダライ・ラマが指導者として認められるにはいくつかの試練を乗り越える必要があり、討論で才能を発揮し、周りの人に認めてもらう必要があったようです。向こうでは娯楽としても討論が発達しています。

討論

13歳の頃から討論の訓練を続け、論敵に囲まれ、矢継ぎ早に質問を受け、論破させようとする人々と討論を重ねる実戦をさせられていたようです。

24歳の最終試験で、2万人の観衆の前で、研究分野の専門家50人から10時間に渡って質問を受け続け、討論をするという試練を乗り越えたとの事。凄いですね。

とにかくダライ・ラマは仏教への深い知恵を持ちながら、政治、最新科学への造詣も深い、生きる賢者ですね。

怒りとは

破壊的精神状態としての「怒り」。

「怒り」は通常の人なら誰もが持つ感情。破壊的精神状態のひとつと捉えられています。

「怒り」は自分も他人も破壊してしまいかねない要素を持っています。ですので普通に考えて「怒り」を抱え込むのは良くないですね。

怒りと進化。

本の中では西洋のダーウィンの進化論の話も出てきました。

進化

進化のテーマである「邪魔されること」に近いほど怒りが起こりやすいとの事。進化というとスケールが大きく思えますが、進みを妨害されると人は怒りの状態になりやすいです。

言葉の通りに進む道を妨害されたり、恋人と素敵な毎日が破壊されて未来を絶たれたり、仕事の進行を妨げられたり...怒りとはこのような場合たやすくわき上がりますよね。

そして邪魔するものを取り去りたいという衝動から、他人を害する行動を取ってしまう。

破壊的感情もまた人類の進化を解き明かすキーワードに他ならないそうですが、他人を害すれば結果的に人生を進める上で障害になりそうですよね。

怒りは、進化上、必要な要素とも言えそうですがうまく付き合う必要があります。

怒りと5つの大きな煩悩

仏教では84000種類の煩悩があると言われています。多い!

煎じ詰めると以下の5つとの事。

・憎悪
・執着
・無知
・慢心
・嫉妬

破壊的感情はこの5つのどれか、もしくは複合して発生しそうですね。

特に「無知」、情報が少なくゆがんだ解釈で物事を見ると「怒り」はわき上がりやすいです。

そして自分に執着する事。自分に執着すればするほど「怒り」の感情は増幅されます。

煩悩にとらわれず、物事をありのままに見る事の大切さをダライ・ラマは説いています。

三毒の中の怒り

仏教では苦しみの根源となる三毒というものがあります。

三毒は、「貪瞋痴(とんじんち)」という言葉で表現されます。

・貪欲(どんよく)・・・むさぼり(必要以上に)求める心。
・瞋恚(しんい)・・・怒りの心。
・愚痴(ぐち)・・・真理に対する無知の心。

「怒り」は瞋恚に当てはまりそうですね。苦しみの根源となるものは早めに対処する必要があると書かれています。

そしてダライ・ラマは全ての煩悩には解毒薬があると説きます。安心ですね。

怒りの伝染力。

怒りは伝染力を持っていて誰かが怒ればこちらも怒り返します。防衛本能もありますね。

怒り顔

怒りの表情は民族や文化を超えて共通だそうです。

怒りは表情に出すことで怒りは増幅されます。行動に起こすことでさらに増幅します。

やっかいなのは表情は考えるより先に顔に出てしまう事があります。ただ怒りに直結しにくくなる対処は存在します。学んでいきましょう。

幼児期に攻撃性を見せた子供は成長しても攻撃性を見せる。

幼児期に攻撃性を見せた子供は成長してもその傾向が続きやすいと書いてあります。

逆に言うと赤ん坊の頃に喜びの感情を育ててあげれば肯定的な気持ちを生涯持ち続ける手助けができるそうです。子供の頃に愛情を伝えて育てるのは重要なようです。

不幸にも愛情を受けずに育った場合、自分で時間をかけて肯定的な感情を育てる必要がありそうです。大変ですが、ダライ・ラマは脳の成長はいつだって可能と説きます。

怒りの鎮め方、対処法

1.怒らないための瞑想

本を通して瞑想と言うキーワードが多数出てきます。

瞑想にはいくつか種類があるようですが、主要な2つの瞑想があるとダライ・ラマは言います。

・純粋に集中だけの瞑想
・現実の本質を追求する瞑想

チベット語で瞑想の本来の意味は「慣れ親しむこと」と書いています。瞑想で自分を見つめ、感情の動きに慣れ親しむ。

瞑想2

自分の心の動きに慣れ親しみ「安楽」の状態を作っていくのです。そうして怒りの感情を遠ざけます。

西洋には「安楽」に置き換わる単語はないと言っています。

また本には「あわれみの心」という言葉も多く出てきており、破壊的感情とは対極的に書かれています。

瞑想によって「慈しみ」「憐みの心」を強化し、この世のもの全てに母なるものの観点を結びつけていく。そうやって世の中を愛する事により怒りの回線にアクセスしにくくします。

かなり難しいですがチャレンジしがいはありますよね。

肯定的な感情は熟慮の末に起こりやすいのに対し、否定的感情は無意識のうちに生じる場合が多い。(引用・抜粋:『なぜ人は破壊的な感情を持つのか』)

人は無意識では否定的感情が勝るものです。
生存率を上げるための生理的な心の働きだと思います。

ただ否定的感情は三毒に絡めとられやすく、苦しみへと変化します。しんどいですよね。

瞑想によって肯定的な感情を意識的に強化していく事が可能です。ダライ・ラマは言います。

脳の配線は活発に変動し、変更できないほどに固定されることは無い。私たちの脳は変えることができるのである。(引用・抜粋:『なぜ人は破壊的な感情を持つのか』)

あきらめないでください。いくつになっても瞑想によって肯定的感情を強化する事は可能だそうです。

ダライ・ラマを信じ、脳を心を良き方向へ変化させていきましょう。

2.怒りを直視し、消し去る。

瞑想者は怒りを直視するそうです。

見つめる

怒りの形、色、姿、しっかり直視することにより怒りそのものが消滅するとダライ・ラマは言います。

怒りと知性と対立させましょう。

「さあ、僕は今怒っている、どうする?」と言葉による自制も有効です。

ダーウィンの進化の話が出てきましたが、怒りを爆発させるのが果たして自分の進化、進むべき道にふさわしいかを考えましょう。

さらに「私は賢い、正しい行動が出来る」と自分に語りかけてください。きっと正しい判断が出来るはずです。自分を信じましょう。

3.怒りの衝動にかられるないための評価の時間を取る。

怒りの衝動で誤った行動を取らないために、怒りに対する評価の時間を長くする訓練も有効だと言っています。

time

とは言え怒りは一瞬で沸き上がるもの。

それでもダライ・ラマは少し冗談を交じえて、ヨーガを極めた人の中には、一瞬を永遠に引き延ばせる人がいると言います。

2秒で怒りが爆発するとしても、その2秒を永遠に引き延ばせれば怒りは消えるでしょう。

そんな事は出来ないのが普通ですが、たった2秒でもその間に物事をきちんと評価して怒りに繋げにくくする訓練は重要だと思います。

意味を付け足さず、あるがままに観て正しい評価をする。

4.怒りは永遠に留まらないと知る

日々新しい感情が起こりますが、永遠にとどまるわけではありません。しばらくともにあり、去っていきます。(引用・抜粋:『なぜ人は破壊的な感情を持つのか』)

物事をありのままに観る「観の瞑想」で感情は本質的なものではないという事に気づけるとダライ・ラマは言います。

今、抱いている怒りもいつかは消え去ります。

さらに忍耐を養う機会はそうそうないので、遭遇した喜びを感じながら怒りが消えていくまで呼吸に集中しなさい、とも言います。

僕のような未熟者にはいつも人生は忍耐力を試されているような気分になりますが。

今、生きている事も修行の場。その中で安らぎや慈しみの心を育てる訓練をしましょうね。

5.怒りの中に「あわれみ」はないか?

怒りの中には「思いやり」や「あわれみ」から生ずるような種類の怒りもあります。

純粋に否定的な感情のみで形成されていない怒りもあるんですね。

その時には、自分の感情を見つめ、肯定的な感情にフォーカスし、強化させ怒りの感情を消しさりましょう。

ダライ・ラマは執着や怒りなど否定的な感情は、日常の枠組みにおいては幸福な社会を実現するためのエネルギーになるというような事を言っています。

否定的な感情の中に肯定的な感情があるのならば、それに意識を集中して建設的なエネルギーに変換しましょう。

6.怒りを持ったらカメになれ

こちらは子供の怒りに対する教育テクニックです。怒りを持った時に自分が甲羅を持ったカメだと考え、両手を胸の前でクロスさせ、甲羅の中に隠れている状態をイメージします。

僕はカメ

何かに守られ、甲羅の中にいるとイメージすれば、そのうち怒りも静まるでしょう。カワバンガ!

アニマルプレイといって数分間、動物になりきって行動するとストレスが軽減されるという話も聞いたことがあります。

大人でも、カメに限らず、お気に入りの動物になりきり怒りを発散、もしくは分散させましょう!

今回の本

【書籍名】なぜ人は破壊的な感情を持つのか
【著者名】ダライ・ラマ、ダニエル・ゴールマン
【出版社】株式会社角川書店
【出版日】2003.10.26


今回の本は、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマとハーバード大学で心理学の博士号を持つ作家・ジャーナリストのダニエル・ゴールマンたちの5日間の対話がまとめられています。

タイトルの通り、破壊的感情の原因と治療を東西の賢人たちがそれぞれの立場から一緒に考えます。

5日間の対話は徐々に過熱し、面白くなっていきます。

西洋と東洋、考え方は色々異なる部分はありますが、破壊的感情を持つ事なく心をかき乱されずに平穏に生きたいという願いは共通のようです。

お互いの意見を尊重しあい、話し合う「知の饗宴」は学ぶことが多かったです。

今回は、身近な「怒り」という感情を軸に本を読み進めていましたが、読んでいる途中で自分の過去も振り返る機会にも恵まれました。そういえば僕は育児ノイローゼの時に育てられたと聞いたことがあります。だからどうって事は自分の胸の中にしまいますが。

とにかく、本の中で繰り返し出てくる瞑想、非常に興味深いです。今後もフォーカスしていきます。

とにかく脳はいつだって変える事が出来るそうです。肯定的な感情を強化して素晴らしい毎日を過ごしましょうね。ありがとうございます!

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