【BOOK】成功へのドアの見つけ方。

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何者でもない18歳の時、日本のセレブに「すみません、成功につながる第一歩を教えてください」ってインタビューする事が出来ますか?

出来ないですよね。たまたま同じパーティ会場に居たって難しいです。18歳ではなく、今、何者かになっている人だって難しいです。

だってどうなるか大体想像つくじゃないですか。思い付きの行動のツケを払う事になりそうですよね。

この本は当時、南カリフォルニア大学の医学部に通っていた何者でもない18歳のアレックス・バナヤン君がアメリカのビッグネームに果敢に突撃インタビューしていったノンフィクションの物語が綴られています。

今回はそんな無謀なインタビューを重ねた若者のお話の本。



成功へのドアの見つけ方。

サードドアとは?

人生、ビジネス、成功。

どれもナイトクラブみたいなものだ。
つねに3つの入り口が用意されている。

ファーストドア:正面入り口だ。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか
気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。

セカンドドア: VIP専用入り口だ。億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが
利用できる。

それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。

行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、何百回もノックして
窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に
─―必ずある。

ビル・ゲイツが初めてソフトウェアを販売できたのも、
スティーヴン・スピルバーグがハリウッドで
史上最年少の監督になれたのも、……みんな、
サードドアをこじ開けたからなんだ。
(引用・抜粋:サードドア)

と冒頭に書かれています。

つまり
・ファーストドア、99%の人の正面口、殆どの一般人。
・セカンドドア、生まれ付きのVIPの裏口。
・サードドア、成功への抜け道、現在の賢人への道。

本をざっと要約しますと当時、医学部で18歳のアレックス・バナヤン君は自分の人生に疑問を感じ、刺激を受けようとアメリカの成功者の伝記を読みます。高級住宅街のビバリーヒルズに住んでいるんですけどなかなか複雑な事情もありそうです。

しかし、伝記を読んでいるうちに成功者たちの偉大なキャリアへの第一歩がどの本を読んでも書いていないんじゃないかって疑問を持ちます。

ここでアレックス君はこう考えます。「誰もそんな本を書いてないなら僕が書こうじゃないか!」って。

彼はそれから驚くような行動力を発揮します。医学部で勉強もしんどかったり、功名心や野心もあったと思います。

若さゆえの勢いも彼の行動を後押しします。

実際、文章や行動には少し幼い部分もあります。それが逆にアレックス君の味となり魅力となっています。結構、下心を持って人に近づくんですよ。

野心の第一歩として有名クイズ番組で賞金を稼ぎ、インタビューしたい著名人のリストを作成。

まずはスティーブン・スピルバーグに突撃インタビューを試みます。この時スピルバーグの隣にいたジョージ・ルーカスにちょっとどいてください、みたいな事を考えるんですよね、アレックス君。

どうなったかは本を読んで頂くとして、レディーガガ、ビル・ゲイツ、ジェシカ・アルバ、ウォーレン・バフェットなどなど沢山の著名人に果敢にアタックしていきます。

想像に難くないのですが何度も失敗します。何度も挫けそうになります。それでも行動を続けます。

そして彼は緊張すると「フリンチ=萎縮」して口が動かなくなったり、体の一部が硬直してしまう特徴を持っています。

挑戦を止める言い訳なんてたくさん思いつきますが、アレックス君は強い意志で色んな人に怒られてもひたすら夢に一直線。何が彼をそこまで付き動かすのでしょうか?

そして彼のサードドアは見つかるのでしょうか?彼も偉大なる成功者への一歩を踏み出せるのでしょうか?

そして副題の「精神的資産の増やし方」ってなんなのでしょう?

キーワード

コールドコール

「コールドコール」たびたび出てくるキーワードです。

これは著名人とアポイントを取るための飛び込みアポ電話ですね。

アレックス君はたびたび大物やその周辺の人に電話していきます。電話が出来ない場合はメールを何通も送ります。

我々の環境でいきなりマネしても難しいかもしれませんがどうにか接点を作っていくという姿勢は勉強になります。直接、目を見ながら話すというのを大事にしたりします。

人間なんて本質はいつだって変わらないんだよって教えてくれます。

インサイドマン

インサイドマン、内部の人間ですね。

彼は持ち前の行動力と前向きさで早い段階でマイクロソフトの有力者などたくさんの人物とのコネクションを作っていきます。

彼は何度かだまされたり、拒絶も味わうのですが行動すればどこかに協力者は現れるのだという事を証明してくれます。

当たり前ですが有名人にも、調子のいい時期や悪い時期、機嫌の良い時、悪い時があります。

たまたま接近した時に幸運が重なり思わぬ出会いの奇跡があったりもします。これだから挑戦はし続ける価値がありますね。

粘り強さ

彼のチャレンジは元々無謀なものなので、何度も苦渋を舐めます。

それでも可能性を信じて行動し続けます。

そして彼は有名人と話していくうちに気づくのです。誰でも苦手なものがある、みんなそれを乗り越えていることを。

そしてまだ20歳ほどのアレックス君は思います「成功と失敗は正反対ではない」と。どちらもチャレンジしたただの結果にしかすぎないと。ビックリするほど前向き。

期待を裏切る

期待を裏切る。こちら意外かもしれませんが何度か出てくるキーワードです。

2つの意味があると思います。

1つめはいい意味で期待を裏切る。言い換えると期待を上回るという事ですね。しばしば成功者たちは期待を上回る結果を準備します。

2つめは、他人の期待を裏切ってでも自分の信念に忠実になる。人の期待に答えすぎない。他人の人生を歩まない。という戒めです。アレックス君は途中で有力者からの誘いや、大学進学で悩んだりしますが自分の心に従い素直な判断をします。

自分を信じて諦めず行動をし続ける、本全体を貫くキーワードです。

感想

アレックス君の類まれなる行動力と諦めない心は思わぬ出会いや奇跡を起こしていきます。

読んでてヒヤヒヤするほど真っすぐに突撃していく姿はちょっと僕たちには真似が難しいかもしれません。文化の違いもありそうです。アメリカでのペルシャ系ユダヤ人という人種の複雑さもわかりません。

本のレビューを読んでいても参考にならないといった人の多くはこういった部分に引っかかったのかもしれません。

いきなり有名人に電話したりメールしたり、内部の人間のコネを使って接近したりってちょっと難しいですよね。

でも、有名人とイベントのボランティアスタッフとして肩を並べて働いたり、SNSで交流したり、講演会に行ったりと、うやって彼らのゲームに参加する事は可能です。

まずは彼らのゲームに参加する事にお金を払う。

アレックス君はクイズ番組で賞金をもらったり、3万人の参加者からなるウォーレン・バフェットとの株主総会で質問権を得たりなど知恵とコミュニケーション能力でチャンスを掴んでいきます。

アレックス君は抽選会などでも確率や傾向を学び、偶然や運に頼らないんですね。人が運任せにする場面でも頭を使い道を切り開こうとします。

諦めずにチャンスを掴む姿勢は勉強になりました。

結局、サードドア=成功への抜け道、これはショートカットも答えも無い道かもしれません。一番泥臭い道なんじゃないかなと思います。

成功への近道を探すのならこの本は期待外れかもしれません。

99%の人が並ぶファーストドアはすくなくとも舗装されています。サードドアはぬかるみの道、道と呼べるものではないかもしれません。でも可能性を信じてぬかるみを歩く価値をこの本は教えてくれます。

果敢にドアをノックしていく姿勢を若いアレックス君から学びました。もはやドアをノックしていく姿勢にこそ意味があるんではないかと考えます。

また多くの著名人の名言もあちこちに散りばめられていて心にパッと刺さることがあります。ミュージシャンや女性俳優、ITや金融業界の成功者、ボクサーそれぞれ人生哲学が違いますが良いことを言うんですよ。

特に若い人に読んでほしいですね。人生は失敗や挫折が多いです。それでも

P415  失敗は最高の贈り物なんだ。
(引用・抜粋:サードドア byクインシー・ジョーンズ)

今回の本

【書籍名】サードドア 「精神的資産の増やし方」
【著者名】アレックス・バナヤン
【翻訳】大田黒 奉之
【出版社】東洋経済新報社
【出版日】2019/9/5

アレックス・バナヤンは1992年生まれのまだまだこれからの若者です。フリンチという特徴を持っていながら行動し続ける彼は成功すればむしろそれも強みになるんじゃないかって思える前向きさがあります。

2015年には『ビジネス・インサイダー』誌の「30歳未満の最もパワフルな人物」にも選ばれてこれからが楽しみな青年。

本の途中で日本企業のエピソードジョーク、マイクロソフトと縁の深い西和彦さんの話もチラッと出てきます。日本人には興味深い内容です。

人生の成功=サードドアを探してぬかるみを歩く皆様へおススメの一冊です。



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